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グループ展「VISIONS/RECOLLECTIONS」

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わたくしども山本現代では、2011年2月19日から3月12日まで、グループ展「VISIONS / RECOLLECTIONS (ヴィジョンズ/リコレクションズ)」 を開催いたしますので、ご案内申し上げます。

今回の展覧会では、所属作家+他による、様々な形式で制作された平面作品を集めてご紹介いたします。

絵画は「神の死」以降、宗教的産物でない独立した藝術となるために、絵画のイリュージョンを否定しメディウムの特性である平面性(フラットネス)を追求しました。その運動はフォルマリズムという自己批評性に根ざしていましたが、それが一段落すると自己同一性が曖昧なポストモダンといわれる時代となりました。

「支持体と絵の具」によるイメージの生成に留まらず、写真、コラージュ、レリーフ、鉛筆画などの他、その後の絵画及び所謂平面作品は、より生活に近い形態である切り絵、刺繍などにまで回帰しつつ再解釈によって、拡がりをみせています。その他、アウトサイダーアートでなくとも細密画や、古典的な墨絵や大和絵の形式をメディアしたスペクタクルを平面上に展開する作品も、めずらしくなくなりました。更に00年代には、最新テクノロジーで描かれた絵画や映像、ネット上にある(ネット上にしかない)作品(「作品未満の作品」)まで、その表現方法は平面性への純化からも物理的原理からも解放され、様々に拡散しています。それらは時折、最新技術を駆使したものであっても、近代的な枠組みをとばして、むしろそれ以前の、より原始的で根源的なものへ繋がろうとしているようにも思えます。

今後も新しい媒体を持った作品が続々と出てくるでしょうし、形式だけでなく、作品が担うコンセプトや現代美術がもつ意味も変わっていくでしょう。それは進歩主義的な考え方の限界なのか、閉塞感からくるアーティスト達のジレンマなのか、ニヒリズムなのか、もしくは突然変異によるカタルシスの前触れの静けさなのか、または何事も起こっていないのか。現代にある様々な特性を持つ平面作品を集め、見てみたいと思います。

今回の展覧会タイトルにある「VISIONS」は、【視覚】【視力】という実際的な意味を持つと同時に、【幻影】【未来像】【展望】という意味を含んでいます。また「RECOLLECTIONS」は、【記憶】という意味と同時にここでは【再・収集】という意味を孕んでいます。所謂平面作品として成り立つ様々な作品のメディウム、形式から、作家の多重なコンセプトを通じて俯瞰することで、これからの美術の有り様を探る展覧会となれば幸いです。

出展作家:宇川直宏、西尾康之、村山留里子、小林香織、大竹司、平川なつみ

 

 

 

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