Artist:できやよい
できやよい展「旅行♪」
できやよい個展「旅行♪」
同時開催!柏原資亮&できやよい「PANDY&MIKO」出版記念展
2015年1月17日(土)~2月14日(土)
オープニングレセプション:2015年1月17日(土) 18:00 – 20:00
山本現代では、来る2015年1月17日(土)から2月14日(土)まで、できやよい個展「旅行♪」 同時開催!柏原資亮&できやよい「PANDY&MIKO」出版記念展
を開催いたしますのでご案内申し上げます。
年初めの本展では、できが近年描きためてきた国旗シリーズと、オプティカル・イリュージョンと呼ばれる錯視立体像に、でき特有のフィンガー・スタンピングを施した新作を発表いたします。
できやよいは、「日本ゼロ年」(水戸芸術館、1999年)や「六本木クロッシング2007 未来への脈動」(森美術館、2007年)などの数々の展覧会を始め、「第7回建築展ヴェネツィア・ビエンナーレ」(2000年)や「第7回リヨン・ビエンナーレ」(2003年)などの国際展にも出展しており、デビューから現在まで大変注目を集めてきた作家です。ほかに2013年には森ビルの1月の広告のメインイメージを担当するなど、企業広告やミュージシャンとのコラボレーションワークにも数々起用され、時代と呼応した多彩な活動を繰り広げています。
できやよいの絵画作品といえば、非常に鮮やかな極彩色に彩られた多幸感に溢れる無邪気な画面と、作品に近づくと見えてくるびっしり描き込まれた細密描写の狂気の世界が魅力です。
今回ご紹介いたします作品は平面・立体共にフィンガー・スタンピングのシリーズで、色彩の世界を形作っているエレメントが無数の小さな「顔」で、その集合体で構成されています。色とりどりの人の顔だけでなく、時折パンダらしき動物の顔も描かれており、できやよいの永遠の「少女性」をうかがわせます。彼女の作品を「絵画」たらしめているもの、それは手法によってだけではなく、溢れる色彩に表された快楽、イノセンス、そして呪術的とも言える細密描写から立ち上る、人間が秘めている根源的狂気のアンビバレンスであると言えるでしょう。
この度、新たな試みとして発表するのは錯視立体を支持体とした立体作品です。
錯視立体とは、ある方向から見た場合にのみ目が錯覚を起こし、「あり得ない」立体に見えるだまし絵のようなものです。光と影のなせる不可思議な、およそ40センチ四方の立体にできの幻惑的なフィンガー・スタンピングと細密描写が施され、新しい知覚へと誘います。
合わせて発表される国旗シリーズは、各国の国旗の色をモチーフに、でき特有のグラデーションでひとつのタブローが形作られています。波打つように交わり、風にたなびくようなこの新しい国旗像も、近寄ればすべてのフィンガースタンピングに人の表情が描かれています。「国」という、そこに息づく人々を想起させます。
今展のタイトル「旅行♪」にも表されているように、できの新作は未知なる場所に赴くこと、“不思議”に出会うこと、これから出会うであろう人々との遭遇を思い起こさせてくれます。
また本年10月に刊行されました「PANDY &MIKO」は、できのパートナーである柏原氏ができとの愛犬チワワのPANDY(パンディ)とMIKO(ミコ)を撮りおろし、そこにできが絵を施した写真集です。京都のFOIL GALLERY, 山梨のGallery Traxに続き、ここ東京でも刊行記念展を開催いたします。こちらも合わせてお楽しみいただきたく、皆様に是非足をお運び頂ければと思っております。