Artist:立石大河亞
立石大河亞展「大河亞の富士山の宇宙」
立石大河亞の作品は、どの時代にあっても非常にユニークで、その活動遍歴はもちろん、時には驚くような個性的かつ類い稀な想像力による世界観を呈しています。
時間の断片やあいまいさ、四次元的画面構成、歴史的かつ未来的視野、それでいて現実に着地した鋭い批評的見地を合わせ持った絵画ーどの時代の眼でみても、新鮮な発見がある大スペクタクルです。
現代日本の若い作家の作品を見渡してみても様々なところで、すでに立石大河亞が成していることが今なお受け継がれており、立石大河亞の直接的・潜在的な影響ーいわばDNAーを今なおみることができます。
今回1回に留まらず今後も機会を設け、「絵画の欲望」ともいうべき実験的でありながら圧倒的な完成度を誇る立石大河亞の脅威の世界をご紹介してゆく所存です。
立石大河亞(1962年デビューより1967年頃まで「立石紘一」、1968年より1990年半ばまで「タイガー立石」を名乗るが便宜上、また現在最も浸透していると思われる画名「立石大河亞」で統一しています)
1941年福岡生まれ。
1963年第15回読売アンデパンダン展に巨大なコラージュ作品を出品し注目をあつめ、その後もポップアートの影響を受けながら身近な日本の題材な時事問題などを扱った絵を制作。
1960年代後半から次第に漫画を描きはじめ、1969年に渡伊。
タイプライターの老舗、オリベッティ社の社員としてデザインの仕事に携わりつつ、イオラス画廊などで油彩画を展開、1980年代後半からは富士など日本的なモチーフを取り入れた作品を制作。
1998年千葉県にて鬼籍に入る。