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小林香織・平川なつみ展「第三者」
新人作家 小林香織、平川なつみによる‘YAMAMOTO GENDAI Future Feature vol.4 -第三者―’展を開催いたします。
小林香織は今年武蔵野美術大学を卒業したばかりの作家、平川なつみは大分県で独自に制作を続けている作家で、いずれも、本格的な発表は本展が初めてとなります。
不自然なポーズで不穏な空気を醸し出す男女を描きながら、どこか清冽な印象を残す小林香織。記憶を頼りに白昼夢のような風景や人物を描く平川なつみ。彼女らが描くのはいつかどこかで見たような風景なのに、いつもどこにもない場所を思わせます。そこに佇むのは、どこか奇妙で滑稽な人物たちです。
この展覧会のテーマ「第三者」とは「わたし」でも「あなた」でもない、レヴィナスの語る「他者」のような、アンファミリアな人物像や状況を意味しています。絵画のなかの、圧倒的な無意味さに放り出された「第三者」は、わたしやあなたの前に滑稽な振る舞いで立ち現れ、顔を持ちはじめます。
このふたりの作家は、それぞれ全く違った様相を呈する絵を描きますが、しかしふたりとも、なにげない風景や人物のなかに、本展でいう「第三者」を描くことのできる希有な作家です。
山本現代では、今考えられる最も興味深い力を持った新人画家として、彼女たちをご紹介したく考えています。
この機会にどうぞご高覧くださいませ。