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Artist:

ヤノベケンジ展「Levitation」

Kenji YANOBE

Kenji YANOBE

 

 

 

※初日のみ18:00より開廊いたします。
※本展示では強力な電磁石を使用致します。ペースメーカー等医療機器をご使用の方のご入場を固くお断り致します。

わたくしども山本現代では、2010年11月6日から12月4日まで、
ヤノベケンジ個展「レヴィテイション」を開催する運びとなりました事をご案内申し上げます。
今展では、空中浮遊をテーマとした新しい作品を発表致します。

1990年のデビュー展より20年、ヤノベは日本のアートシーンを牽引する作家として時代を駆け抜けてきました。
冷戦、湾岸戦争、原発事故といった暗雲が人類の課題として立ちこめる世紀末に生を受けたものとして、自らが生き残る(サヴァイバル)ための装置を展開した90年代前半。幼少の頃の大阪万博跡地での体験を創作の原点に見立てた“未来の廃墟への巡礼”というテーマを軸に、漫画やサブカルチャーの影響を意識的に備えた作品で社会問題を提示するヤノベは20代の頃より高い評価を得ていました。

しかし95年に発生した阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件という「現実」、97年に赴いたチェルノブイリで目の当たりにした「現実」は、時代の寵児としてもてはやされ国際的な評価を得ていたそれまでのヤノベの「妄想」世界を打ち砕きます。
そして、チェルノブイリ訪問の衝撃から得た「子供たちに未来を与えられるものを作りたい」という欲求のもと、新世紀の幕開けとともにそれまでの「サヴァイバル」というテーマを「リヴァイバル(再生)」へと大きく転換させました。以降ヤノベは、「メガロマニア」(国立国際美術館)、「子供都市計画」(金沢21世紀美術館)、「キンダガルテン」(豊田市美術館)などの大規模な個展開催を経ながら、『ビバ・リバ・プロジェクト―スタンダ』『トらやん』、『ジャイアント・トらやん』『森の映画館』『ラッキードラゴン』などを次々と生み出し、途方もないスケールを持った作品群で私たちを魅了してきました。

さらに2009年に発表した『ウルトラ―黒い太陽』は、ヤノベの作品史上最も大きく、禍々しいイメージを伴った作品で、近年、平和主義的と捉えられがちであったヤノベのイメージを根底から覆すような新たな布石となったのです。
このようにヤノベは評価に甘んじる事なく、過去作や歴史を超えるべく挑戦し、新たな価値観を提示してきました。

今回の『レヴィテイション』では稲妻、大洪水、虹など、物理現象を用いた近作に引き続き、強大な磁力が用いられます。人間社会への提言を超え、自然現象を自在に操る近年のヤノベは、まるで君臨する超越者のようです。これらは美術を志したヤノベの、いわば「未来の廃墟」以前―根源的な制作欲への立ち返りとも考えられるでしょう。

 

 

 

Kenji YANOBE

 

 

 

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