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ヤノベケンジ展 「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」

Kenji YANOBE

Kenji YANOBE

 

 

 

山本現代では、2011年7月2日から30日まで、
ヤノベケンジ個展「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」を開催する運びとなりましたことをご案内申し上げます。

この『大地のアンテナ』は、空也上人像のように小さな人を口から吐き出す、放射線感知服『アトムスーツ』を着た作家本人像を中心に、無数のアトムスーツフィギュア(ガイガーカウンターを装着した個体も混ざっている)が一体となったインスタレーションです。
1997年のチェルノブイリ訪問から得た貴重な経験から制作されたこの作品は、単にその事故や教訓を模すのではなく、以後、世界の様々な事象を感知/発信する「アンテナ」のような役割を果たそうとする、作家自身の強い意思をあらわした作品です。

ヤノベケンジは1991年美浜原発事故の危機感から、鉛と鉄でできた放射能防護服型作品『イエロー・スーツ』を制作したのをはじめとし、作品にガイガーカウンターを用いるようになりました。
サヴァイヴァル/リヴァイヴァルをテーマに、以後も原子力、放射能の問題だけでなく、落雷や洪水などの自然現象を援用し、現在まで20年に及び作品制作を続けています。

人類の制御の及ばぬ領域にあるエネルギーや現象を題材に制作活動を続けるヤノベケンジの、すでに10年も前に制作された作品『大地のアンテナ』ですが、今なおその意味は失われることなく、その幅もより広がりをみていると考えます。

今だからこそ、再度の展示によってヤノベケンジの活動を検証し、作品そしてわたしたちが生きる現実の、新しい解釈の足がかりとなれば幸いです。