Artist:
チョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナによる新作展「Healing and Loving(ヒーリング・アンド・ラヴィング)」
The BAR(The Backers Foundation and AIT Residence Programme)vol. 9
チョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナによる新作展
『Healing and Loving(ヒーリング・アンド・ラヴィング)』
2016年7月9日(土)~23日(土)
オープニングレセプション:2016年7月9日(土) 18:00 – 20:00
チョウ イー・ティンによるパフォーマンス:19:00 –
開廊時間:11:00~19:00 日月祝休廊
主催: NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催: バッカーズ・ファンデーション
協力: LOKO GALLERY、山本現代
AIT ARTIST TALK #68
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)を迎えて
日時:2016年7月13日(水)19:00-21:00 (18:30開場)*要予約 / 有料 / 日英逐次通訳あり
場所:代官山AITルーム 渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403
定員:20名(予約制)
参加費:一般1,000円、学生・ベースメンバー800円、ハウス/サポートメンバー無料
その他:1ドリンク付き / 日英逐次通訳あり
モデレーター/通訳:ロジャー・マクドナルド[AIT]
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催:バッカーズ・ファンデーション
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作家在廊のおしらせ
16日(土)13:00 – 15:00、チョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナが在廊いたします。
わたくしども山本現代では、来る2016年7月9日(土)から7月23日(土)まで、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト] 主催によるThe BAR(The Backers Foundation and AIT Residence Programme)vol. 9 チョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナによる新作展 『Healing and Loving(ヒーリング・アンド・ラヴィング)』を開催いたします。
本展は、海外のアーティストを日本に招へいするアーティスト・イン・レジデンスプログラムの9回目の成果展となり、2016 年度はミャンマー(ビルマ)出身ニューヨーク在住のチョウ イー・ティンと、スリランカ出身ジャフナ在住のクリシュナプリヤ・タ ーマクリシュナが、これまでの作品に加え、日本で制作した新作を発表します。展覧会初日の7月9 日(土)には、チョウ イー・ティンがパフォーマンスを披露するほか、会期中の13日(水)には、代官山AITルームにて2人によるアーティスト・トークを行います。
チョウ イー・ティン(1969年、ミャンマー/ビルマ生まれ)は、ペインティングや彫刻のほか、非道な弾圧や独裁政治のもとで生きた女性たちの経験に言及するパフォーマンスを公共の場で行なっています。2015年にミャンマー/ビルマで行われた総選挙と政治的局面に大きな変化が起こるまで祖国から離れて暮らし、その間も強い信念を持って制作活動に取り組んできました。本展では、日本で見つけた迷彩柄の布地や、見捨てられた木材に施されるペインティングを新たに発表します。
クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(1987年、スリランカ生まれ)は、スリランカ最北に位置する都市、ジャフナを拠点に活動しています。1980年代半ばから、ジャフナは激しい内戦の場となりました。その最中、自らの家族と家を失った経験は、ドローイングや木版画など、ターマクリシュナの幅広い作品制作における源泉となっています。本展が日本初の作品発表となる彼女は、紙に釘を押し当て、うっすらとした姿を浮かび上がらせるドローイングを制作します。展示に向け、彼女はこういいます。「点は線となり、線は形をつくり、線は私の過去、夢、選択、喪失と獲得という人生のゆく末を示すのです。」
二人の作品は、争いにまつわる経験や記憶、そこでの喪失や不安を根幹にもちながらも、歩みを止めずにいきることへの強い想いを感じさせます。これらの表現は、翻弄された過去を批判するのではなく、すべての人びとに向けた「和解」と「愛情」の意思表明と捉えることもできるでしょう。母親として、そして女性としての実体験に密接な関係を持つ彼女たちの作品にご期待ください。
|アーティスト紹介| |
チョウ イー・ティン/Chaw Ei Thein (1969年ミャンマー/ビルマ生まれ、ニューヨーク在住)
1995年に法学で学士号を取得。ミャンマー/ビルマのパテインで活動する芸術家、マウン マウン・ティンを父に持ち、芸術的指導を受けた彼女は多様な表現方法を追求し、画家、そしてパフォーマンス・アーティストとして多くの国際的な賞を受賞し、その活動をいち早く認められるようになる。特に、社会政治的な環境の下での矛盾や葛藤をありのままに描き出す作風で高い評価を受け、それらの作品は、主に言論の自由の制限やその社会変化が及ぼす影響による、自身の苦悩の経験から紡ぎ出されたものである。2009年、アジアン・カルチュラル・カウンシルのグランティーとしてニューヨークに滞在したことをきっかけに、現在は母国から離れて活動をしている。
クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ/Krishnapriya Tharmakrishnar (1987年スリランカ生まれ、ジャフナ在住)
ターマクリシュナは、これまで経験した喪失の痕跡をたどり、忘却の彼方にある記憶と、そこにある自己像を掘り起こすような創作活動をしている。ドローイングや絵画、コラージュを主な表現とする彼女の作品には、紙やトレーシングペーパーに釘を押し当ててモチーフを描く手法が用いられる。淡い色を背景に浮かび上がる点や線が、幼少期をはじめとして、特定の時間におけるターマクリシュナのアイデンティティを表し、当時の心情を浮き彫りにしている。海外での作品発表は、日本が初めてとなる。