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ブルース・ビックフォード展「Line and Clay」
ブルース・ビックフォード展「Line and Clay」
会期:2016年2月10日(水)〜20日(土)
開廊時間: 11:00 – 19:00(日曜・月曜休廊)
*2月11日(祝)は開廊いたします。
オープニングレセプション:2016年2月10日(水) 18:00 – 20:00
協力:ニューディアー、DOMMUNE
ブルース・ビックフォード!この畏敬なるアニメーション界最大の謎が、ようやく姿を立ち表す!!!!!!!!!!! クレイに命を宿し続けるシアトルのアニマ分娩室が、東京/白金/山本現代に時空を超えて現出するのだ!!!!!!!!!!! 内臓も骨も血液も、この世とあの世が海老反りながら転生をくり返し、前世と現世と来世が涎を垂らしながらメタモルフォーゼする!!!!!!!!!! ムーもアトランティスもレムリアも、精霊も地霊も亡霊も、森羅万象全てを飲み込んだ”超古代未来文明”…そう、それがブルース・ビックフォードという色粘土質大陸の正体なのだ!!!!!!!!! し、し、死生観がゆがむぅぅぅーーーー!!!!!!!!!!
宇川直宏(DOMMUNE)
わたくしども山本現代では、来る2016年2月10日(水)から20日(土)まで、ブルース・ビックフォード個展「Line and Clay」を開催いたします。
ブルース・ビックフォードは、クレイ・アニメーション界を牽引する伝説的な存在であり、世界中に熱狂的ファンを持つ鬼才です。1947年にシアトルに生まれたビックフォードは、高校時代に8mmカメラでコマ撮りでの制作を始め、卒業後アメリカ海兵隊としてベトナム戦争に従軍し帰国した後に、本格的にクレイ・アニメーションを制作し始めました。その作品は70年代にフランク・ザッパに高く評価され、彼の映像作品「Baby Snakes」「Dub Room Special」等のアニメーション・パートを手掛けてきました。独学で制作に没頭するユニークな姿勢から、これまでは美術界とは距離を置いて活動してきた作家ですが、数々の映像賞を受賞しており、1998年にはシアトル美術館で開催されたデヴィッド・リンチをフィーチャーした「ツインピークスフェスティバル」にも招聘されています。
今回の展覧会では、昨年日本で開催された高松メディアアート祭やアニメーションフェスティバル「GEORAMA2016」に続き、彼の代表作である約28分の長編クレイ・アニメーション「プロメテウスの庭」を中心に、その他映像作品1点、また彼のアニメーションに登場する立体作品群やジオラマに加え、線画アニメーションやグラフィック・ノベルの原画をを展示いたします。
今展で展示する「プロメテウスの庭」は、1988年に制作されたビッグフォードの代表作です。プロメテウスとはギリシャ神話に登場する男神で、ゼウスの反対を押し切り“天界の火”を人間に与えた者です。その名を冠したこの映像作品の中では、ゼウスが神話の中で憂慮したように、“火”を得て重火器を使用し戦争や殺戮を繰り返す人間達の姿が幾度も描かれています。驚くべきことに彼の作品では中心となる人物たちだけでなく背景も刻々とその姿を変えるために、瞬きすら許されないような変容に次ぐ変容が描かれており、私たちの視線を捕らえて離しません。
数分間のために数百の立体作品が必要となる彼の映像作品ですが、今展ではビックフォードが制作した立体作品群も同時にご覧頂けます。これらの立体作品はビックフォードが「自身の内臓」と呼ぶ程に作家に近く貴重なものであり、これだけの量の立体作品が彼のアトリエから持ち出され展示される機会は初めてのことですので、ぜひご高覧いただきたく存じます。皆様のお越しをお待ちしております。